「鯛焼きひとつ、鯛抜きで」

クリープハイプとPublic Relationsが好きな、webライターの雑記

9017 - 121 = 23 × 365 + 53になるほど、上手くはいきません

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閏年を計算に入れるほど几帳面ではないし、それを指摘するのは野暮ってもんですよ。

 

121枚の写真を削除した。お、平方数。

 

文明の進歩とは恐ろしいもので、私の右手に収まるほど小さなiPhone8 Plus(片手に治らないだろ、見栄を張るなよ)には9017枚の写真が保存されている。今は8896枚だけども。

データ引き継ぎのおかげで、高校3年生の頃からの思い出が蓄積されている。高校の文化祭で投扇興をやった(渋いな)私、ビブリオバトルをやり疲れて机に突っ伏した私。ああ、当時こじらせていた私にも写真を撮ってくれる友がいたのか、など、なぜか親のように安心している自分がいる。

じゃあなぜ写真を121枚削除したのだろう。別に理由はない。失恋をしたわけでもなければ、スマホの容量が足りなくなったわけでもない。

 

ただ、「必要ないな」と思ってしまった。

薄情、ではないと信じたい。薄情ならば高校3年生の冬に受験勉強そっちのけで敢行したクリスマスパーティの写真が生存競争を勝ち残るわけはなかろう。いや勉強しろよ。

では、なぜ必要性を感じなくなってしまったのだろう?

 

いつからだろう、友と撮る写真よりも料理の写真が増えたのは。

いつからだろう、ダサい写真よりも映える写真が増えたのは。

 

もしも、明確な理由なく過去を清算することに罪悪感を覚えなくなるのが「大人になること」ならば、私は大人になりたくない。1日で最も摂取する液体が綾鷹からコーヒーになることが、大人になることだ。それでいい。それだけでいい。

ほら、23歳になってから53日経過したというのに、鏡に映る私と写真フォルダ1枚目の私の区別がつかない。

 

なんて嘘で自分を騙せるほど、子供ではなくなってしまったな。

加湿器に水を注ぎ足して、水面にラベンダーのアロマオイルを垂らして、ぽわんと広がる油膜を眺めて、電気を消して。

 

今月、もう1回だけボートレース行くか。おやすみなさい。